夜の町をウォーキングしているとゲームセンターの前で泣いている子供がいた。きっと、親がゲームにはまってしまい子供はほっぽり出されたのかもしれない。

子供の頃、少なくとも両親からはそんな扱いを受けたことはない。
ただ、幼稚園の時、七夕でゴールドライタンが欲しいとお願いしたのに結局何もプレゼントはなくて拍子抜けしたことや、クリスマスの時に自分が欲しいものを紙に書いてお願いしたのに、次の日、目が覚めると枕元に見知らぬおもちゃが置いてあったことはおぼえている。
けれども、ほっぽり出されたことはないので、悲しい気分になったことはない。
大人になって感じるのは、子供の頃に体験したことは意外とおぼえていることである。
小学3年の頃、弟と近所の駄菓子屋でお菓子を買いに行ったのだけれど、店員のおばさんに、
「さっき、あなたたちお菓子を万引きしたでしょ?」
と言われたことがあった。僕たちは万引きなど決してしていなかったのに。
弟が、
「万引きした時、この服装だった?」
と店員のおばさんに聞き返した。
理由は忘れたのだけれど、デパートに出かける用の服装に着替えてきたばかりだったんだと思う。
店員のおばさんは黙っていた。
この頃の僕ら兄弟はお揃いの服装が多かったので、振り返ると、どちらか2人が購入したものを店の前で食べていて、どちらか1人が、ただ店を眺めて何も買わなかった場合、おばさんからしてみれば万引きして食べている錯覚にとらわれてしまったのかもしれない。
店員のおばさんは、
「行っていいよ」
とぽつりと言った。自分たちが万引きをするような人に見られて気分が悪くなった。
また、小学3年の頃、母親と駅前のコンビニで野球チップスを購入した時だ。店員のお兄さんは野球チップスを購入したにも関わらず、付録の野球カードをくれなかった。
気が弱かったのもあり、ただ、じっとお兄さんを見ているのが精一杯だった。とてもじゃないが、
「野球のカード、おまけについているんだからちょうだいよ」
と気軽に言えるタイプの子供じゃなかった。お兄さんは僕に、どうしたのという風な顔で見ているだけ。結局何も言えずにしてやられたような気分になり、チップスをぽりぽりと食べたけれど、以後、2度と野球チップスは買っていない。
ゲームセンターの前で泣きじゃくる子供は、大人になった時、自分がゲームセンターの前でほっぽり出されていた子供の頃の記憶を思い出すのだろうか。
それは僕には分からないけれど、意外と子供の頃の記憶っておぼえているものだよ。
[ 2010/01/11 12:00 ]
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